物忘れの予防、進行の防止、改善にサプリメントでの摂取が効果的な栄養素

年を取って物忘れが増えてきたように感じたり、同級生、同年齢の人たちと比べると多いかもと感じたりすると不安になりますよね。

一般的に物忘れとは原因となる病気がなく病的でない範囲で出てくる症状のことで、医師の診察を受け体に異変が起こって何かしらの病気が疑われる場合の症状は、健忘と言われます。

こちらでは加齢による物忘れに対して、予防、進行の防止、改善のために注目されている栄養素をご紹介します。

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物忘れの対策に必要な栄養素とは

50代、60代と年を重ねるにつれてどうしても増えてくる物忘れですが、実は個人差が大きい症状です。

物忘れが増えやすい食生活として考えられるのは、レトルト食品ばかりや、炭水化物を取り過ぎる食事、お酒の飲み過ぎ、お酒を飲む際などについつい揚げ物を多く取り過ぎてしまう、野菜を多めにするように気をつけているがタンパク質や良質な脂質が少ない、甘いものや塩分の摂り過ぎといった偏った食事です。

このような食生活を長く続けている人は物忘れの増加を招く恐れがあり要注意です。

なぜなら栄養バランスが偏った食事が続くと血管の状態を悪化させる可能性を大きくしてしまうからです。

血管の状態が悪くなると脳に必要な栄養が届きにくくなってしまい物忘れを増やす危険性が非常に高くなってしまいます。

ですので、物忘れの予防のためには血管の状態を悪くさせないバランスの良い食事が必要で、さらに血管の状態を良くするための栄養素を補うと効果的です。

そして血管の状態を良くする栄養と合わせて、脳にとって必要な栄養を摂取すると物忘れの予防効果は高まります。

物忘れの予防・進行の防止・改善のための栄養素は認知症の予防にも繋がる栄養素と言えます。

物忘れの予防・進行防止・改善に効果的な栄養素

栄養素は連関して作用しますので、一つの栄養素だけを摂取しても大きな効果は得られにくいものです。

物忘れのための栄養素をサプリメントで摂取する際は、食事の前後に飲むことで食事の栄養と一緒に吸収されるようにしたり、多種類の原料が配合されているものを選んだり、ビタミンやミネラルのマルチサプリメントを一緒に摂取したりすると良いでしょう。

タンパク質(アミノ酸)

日本人の死因としておよそ1950年から1980年までの30年の間で第一位だったのが、脳の血管に起こる病気である脳血管疾患(とくに脳出血)でした。

死因第一位ともなり国民病とも言われた脳血管疾患の原因が塩分の摂り過ぎによる高血圧とタンパク質(アミノ酸)が少ないことによる血管壁のもろさでした。

現在ではがんが死因の第一位となってはいますが、血管の状態を維持するためにタンパク質の摂取はとても重要です。

またタンパク質(アミノ酸)は、脳を含め体の細胞を構成する重要な栄養素でもあります。

ご自身の必要量と一日の食事の内容から摂取する量を照らし合わせて、不足する分を粉末プロテインやアミノ酸サプリメントで摂取すると良いでしょう。

DHA・EPA

DHA

脳の栄養として研究数も多く知名度が高いのがDHA(ドコサヘキサエン酸)で、さまざまなメーカーがサプリメントに配合しています。

DHAはオメガ3脂肪酸の一つとしても有名ですが、脳にある神経細胞を構成する細胞膜に存在し、細胞膜を柔らかくする働きを持っています。

DHAによって細胞膜の流動性が高まることでシナプスが活性化すると言われています。

EPA

EPA(エイコサペンタエン酸)はDHAと一緒に紹介される栄養素ですが、働きは違います。

EPAは血液が固まるのを防ぐ働きを持つため動脈硬化に有効とされ、医薬品にも使われている栄養素(DHAも使われている)です。

DHAは脳を構成する栄養、EPAは血管をきれいにする栄養となります。

どちらも青魚に多く含まれる栄養素ですが、毎日青魚を十分に食べるというのが難しいという方はサプリメントでの摂取がおすすめです。

ビタミンB12、葉酸、ビタミンB6

ビタミンB群として知られる8つのビタミンBは体のさまざまな調整に働く栄養素ですが、なかでもビタミンB12と葉酸とビタミンB6は動脈硬化との関係性が高いと言われています。

ビタミンB12と葉酸とビタミンB6は、動脈硬化を進めてしまうとされるホモシステインという物質の代謝に関わり、ホモシステインの血中濃度を下げる働きを持っています。

さらにビタミンB12と葉酸には細胞を合成するために必要なメチレーションを進める働きがあります。

とくにビタミンB12の摂取量が重要で、有効な働きを得るためには食事からの摂取では不十分です。

ビタミンB12はサプリメントでの摂取が効果的と考えられていますが、葉酸とビタミンB6をはじめとするビタミンB群やタンパク質、脂質を一緒に摂取するのがおすすめです。

ホスファチジルコリン

およそ60%が脂肪で構成されている脳に豊富に存在するのがホスファチジルコリンです。

脳の神経細胞の細胞膜を構成する物質の中で30~50%を占めるとされ、それだけ脳にとって重要な栄養素であることが分かります。

情報伝達を円滑にする髄鞘を構成する成分でもあり、髄鞘はシナプスの形成にとって重要なこと、さらには記憶の伝達物質と言われるアセチルコリンの材料にもなるのがホスファチジルコリンです。

食品では卵の黄身に多く含まれますが、サプリメントで摂取した方が効率が良いでしょう。

なお、ビタミンB12を一緒に摂取することでアセチルコリンの合成が高まるとされています。

イチョウ葉エキス

イチョウ葉エキスは栄養素ではなく、さまざまな成分を含んだ薬草のようなものです。

欧米においては医薬品にもなっているイチョウ葉エキスは、血液が固まるのを防ぐ作用があるとされます。

イチョウ葉エキスは血液凝固作用の他にも、血管を広げる作用により脳への血液量を増やす効果や、抗酸化作用も持ち合わせています。

物忘れの原因になる動脈硬化と血栓の予防に対して期待が大きい成分です。

イチョウの葉から抽出するエキスですので、普通の食事からは摂取することができません。

大手メーカーをはじめ、サプリメントが多く販売されていますので活用してみてください。

物忘れを防ぐために。サプリメントを継続するコツ

物忘れの予防・進行防止・改善に効果的な栄養素ですが、不足分を補うためにも食事からは摂取できない成分や有効量を摂取するためにもサプリメントを活用することがおすすめです。

サプリメントでしか摂取できないイチョウ葉エキスや食事からは有効量を摂取できないビタミンB12などはもちろんですが、通常の食事からも摂取できるタンパク質やDHAなどもサプリメントを活用した方が手軽に体に栄養を取り入れ続けることができます。

食事から摂取しようとしても毎日調理するのが大変で苦痛になってしまうと続かなくなり、不足分を補うことができなくなるからです。

サプリメントは続けるのが簡単と思いがちですが、一度だけの飲み忘れと思っても何度か繰り返して飲み忘れてしまうとパタッとやめてしまうことが良くあります。

そのためには習慣化することがポイントで、サプリメントを摂取する際は飲むパターン(食後、運動後、仕事の休憩中など)や、時間(毎日○時に飲む)、保管場所などを決めて取り入れることが、習慣化しやすく飲み忘れの防止にもなって継続するコツとなります。

出張や旅行に行く際もサプリメントを携帯して続けて摂取するようにしましょう。