頭が良くなる成分として知名度の高いDHA。
青魚に多く含まれることでも有名な栄養素です。
DHAはサプリメントの成分としても長い人気を誇っていますが、人気の理由はDHAの特徴を知ることで納得できると思います。
人間の体は細胞が集まって作られています。
人体1kg当たりの平均的な細胞の数は約1兆個とも言われ、男性の平均的な体重60㎏で考えると約60兆個もの数の細胞によって体は作られていることになります。
脂質(リン脂質)は体を作るために重要な細胞膜の主要な構成成分にもなり、さらに、エネルギーを産み出す働きも持つ身体にとって非常に大事な成分です。
以前は「脂質は太る」というイメージも強くありましたが、今は脂質の中でも健康に良い種類のものを取り入れることで、多くの健康効果を期待できるということが分かり、認知度も高まってきました。
とくに最近は、オメガ3系不飽和脂肪酸という脂質や、ココナッツオイル、ナッツ類などが、脂質の種類としても脂質を含む食品としても注目を集めています。
DHAはオメガ3系不飽和脂肪酸に属する栄養成分です。
オメガ3系不飽和脂肪酸はとくに血液をサラサラにする効果に注目が集まる栄養素ですが、DHAは他のオメガ3系不飽和脂肪酸とは違う、脳になくてはならない成分という特徴を持っています。
脳への必要性が分かるDHAの2つの特徴
DHAはサプリメントや健康食品に配合される時、ほとんどの場合でEPAとセットになっています。
そのためEPAに代表される「血液をキレイに、サラサラにする」働きが、DHAの主要な働きとしても覚えられていることが多くあるようです。
しかし、DHAは血液サラサラ効果だけでなく、脳に必要だということがハッキリ分かる2つの特徴を持っています。
1.DHAは血液脳関門を通過して脳に届くことができる成分
2.DHAは脳内に豊富に存在する
これら2つの特徴はEPAや他のオメガ3系不飽和脂肪酸にはありません。
DHAが血液脳関門を通過できるということ
DHAにはEPAが通過できない血液脳関門を通過できるという特徴があります。
血液脳関門とは脳毛細血管で、血液の中から脳に必要な物質を選んで通過させる役目と、反対に脳内で産まれた不要な物質を脳の外部の血液中に排出する役目を持っています。
EPAは通過できないとされる血液脳関門をDHAが通過できるということは、それだけ脳にとって重要な意味を持つ成分と言えます。
脳に豊富に存在し重要な働きを持つDHA
DHAは脳内に豊富にある成分で、脳神経細胞の細胞膜を柔らかくする働きがあります。
脳を構成する約140億個の脳細胞の細胞膜に存在する成分で、脳内でも特に記憶や学習に深く関わる海馬という場所に多く存在します。
他のオメガ3系不飽和脂肪酸は脳内にはほとんど存在しないので、DHAが脳にとって必要な栄養素ということが分かります。
他のオメガ3系不飽和脂肪酸が持っていないDHAだけが持つ「血液脳関門を通過して、脳内に存在する」という特徴こそ、脳への必要性が高い栄養素と言われる大きな理由なのでしょう。
DHAの働きと効果
脳に入り込めて脳に存在するDHA。
脳にとって必要な栄養素ですが、その働きも非常に重要です。
DHAの働きはいくつかありますが、その中で脳にとって重要なのは「脳神経細胞の細胞膜を柔らかくする」という働きです。
神経細胞の細胞膜が柔らかくなると、神経細胞がシナプスを形成するための樹状突起を増やしたり、軸索の成長を促すことがスムーズになります。
つまり、DHAによってシナプスが形成されやすくなるということです。
シナプスとは脳内の神経細胞同士が情報をやり取りする神経活動に関わる接合部位のことを言います。
樹状突起とは情報を受け取る部分で、軸索とは情報を送る部分になり、これらの接合部位をシナプスと呼びます。
DHAがシナプスの形成を促進すると脳には一体どのような効果をもたらすのでしょうか。
DHAの細胞膜を柔らかくする働きによる効果-シナプスが形成されるとどうなるのか
シナプスが増えるということは神経の間で多くの情報が伝えられるようになります。
つまり情報を運ぶ神経伝達物質が行き交う回数が増えるというわけです。
DHAの効果によってシナプスが形成されやすくなると、勉強・学習・経験が定着しやすくなります。
ちなみにシナプスは幼少のうちに完成してしまうという考えが広まっていますが、これは間違いとされています。
大脳生理学の権威である京都大学名誉教授の久保田競氏によると、「生きている限りは脳を使えばシナプスはできる」とされています。
また、海馬研究で有名な東京大学大学院薬学系研究科の教授である池谷裕二氏も、年を取っても海馬が大きくなることを、「神経細胞と神経細胞をつなぐシナプスが増える」ことと捉えています。
DHAの効果でシナプスが形成されやすくなると、脳内の情報伝達量が多くなりますし、認知した内容がスムーズに脳内を回ることにもなるので、記憶力が高まることも期待できます。
ちなみにシナプスは脳内に刺激がないと形成されませんので、DHAだけ摂取しても一般的に言う「頭が良くなる」とはなりません。
シナプスが形成されやすいということは、あくまでも勉強・学習・経験などをすることによってシナプスが形成されるスピードが速くなるということで、学力を向上させたいのであれば勉強することは必須です。
DHAを多く含む食品と摂取量の目安
DHAは青魚に多く含まれる成分です。
厚生労働省はさまざまな研究を基に、DHAの摂取量をEPAと合わせて1日1g(=1000㎎)以上が望ましいとしています。(18歳以上の男女)
以下にDHAを多く含む食材を紹介します。
DHAを多く含む食材(可食部100g当たり)
さば(生)
1780㎎
ぶり(生)
1780㎎
はまち(生)
1730㎎
さんま(生)
1400㎎
まいわし(生)
1140㎎
青魚を積極的に食べると食品からでも摂取できない量ではありませんが、毎日1g以上となるとサプリメントを活用した方が良さそうです。
ちなみにDHAは野菜には含まれていませんが、えごま、くるみ、なたね油に多く含まれるα(アルファ)リノレン酸というDHAとは違う他のオメガ3系不飽和脂肪酸でわずかですが代用ができます。
しかし、体内でαリノレン酸からDHAとEPAに変換されるのは15%程度とされますし、食品中のαリノレン酸も全部吸収されるわけではありません。
また、αリノレン酸は、サフラワー油やひまわり油に多いリノール酸の量が多い場合にDHAとEPAへの変換率が落ちるとも言われています。
αリノレン酸だけでDHAの推奨量を充たすことは不可能と言えますので、αリノレン酸はあくまでも、αリノレン酸として摂取し、DHAが足りない場合はサプリメントでDHAを補給する方が良いでしょう。
DHAの性質と食品から摂取する場合の調理上の注意点
EPAとともに青魚に多く含まれるDHAですが、酸素に触れることによって進む「酸化」と、「光」によって損失してしまうという性質があります。
DHAを食品から摂取するには調理方法に注意が必要です。
例えば、魚をグリルする時のEPA、DHAの損失はそれぞれ約12%、15%であり、脂が飛び散ることが主な要因だということが、受け皿に飛散した脂の重量から分かっています。
グリルよりもDHAを大きく損失するのがフライでの調理です。
DHAとEPAは200℃で数分調理すると、それぞれ50%ほどまで減少してしまいます。
フライでの調理時にDHAとEPAが大きく損失する原因は、揚げ油の中への飛散と、熱分解・酸化だと考えられています。
酸化は加熱温度と時間との関連が分かっています。
DHAとEPAは魚の体の外側(皮付近、赤身肉)に多いことため、揚げ油によって強く加熱され、調理時間が長くなってしまえばしまうほどDHAとEPAの減少が進んでしまいます。
DHAは光にも弱いことが分かっているので、DHAを多く含む食材の保存の仕方に気を付け、DHA配合のサプリメントも光に当たらないような対策をした方が良さそうです。
DHAサプリを比較するポイントは
DHAをしっかり摂取しようとすると通常の食品だけでは難しいものがあります。
厚生労働省が勧めるDHAとEPAの合計量1g(=1000㎎)を満たすためにはサプリメントが効果的になってきます。
DHAは有効成分として認められているからこそ、非常に多くのサプリメントが発売されています。
DHA配合サプリを購入する前には良いサプリメントを選ぶために商品をしっかり比較した方が良いでしょう。
以下にDHAサプリメントを比較するポイントをまとめておきます。
DHAサプリを比較する3つのポイント
1.DHAの配合量
・厚生労働省が勧めるDHAの摂取量はEPAと合わせて1日1g(=1000㎎)
⇒目安としてDHAが400㎎以上は配合されているサプリメントを選びたい
2.DHAの抗酸化対策A DHAを酸化から守る成分が配合されているか
・抗酸化性のある栄養素が配合されているとDHAの状態が良いと考えられる
⇒抗酸化成分としてビタミンE、アスタキサンチン、コエンザイムQ10など
3.DHAの抗酸化対策B DHAサプリメントが個別に包装されているか
・個別包装されていると脱酸素加工をされているので酸素に触れない
⇒遮光する効果もあるので光にも弱いDHAを守ることができる
自分に合ったDHAサプリメントの選び方は
DHAは脳内に豊富に存在する脂質です。
脳の細胞膜の材料になる栄養素ですので、老若男女問わずしっかりと摂取した方が良い栄養素です。
DHAサプリを比較しても自分にはどれが良いのか分からないこともあるかもしれません。
サプリメントでDHAを摂取しようと思ったときに、自分に合ったDHAサプリを選ぶには普段の食事に照らし合わせてください。
ポイントは青魚だけでなく肉や卵、貝類などを摂取しているかです。
普段の食事で青魚だけでなく肉や卵、貝類などの摂取も少ない方
DHAをしっかり摂取することと合わせて、DHAとともに脳内でしっかり働くビタミンなどが配合されているサプリメントを選ぶと良いでしょう。
とくに下記のビタミンは動物性の食品に多く含まれるタイプの栄養素ですので、動物性の食品の摂取が少ない方はDHAだけでなく積極的に摂取することをおすすめします。
ビタミンB1
脳のエネルギー源は主にブドウ糖です。ビタミンB1はブドウ糖をエネルギーとして利用する際に欠かせない栄養素です。
ビタミンB2
酸化された脂質を無毒化する体内酵素の働きを促します。
ビタミンB12
細胞が作られるために、たんぱく質と核酸の合成を促します。
さくらの森の「きなり」は、1日分を摂取するとDHAを450.8㎎摂取することができ、ビタミンB1、ビタミンB2も豊富に配合されています。
抗酸化成分もビタミンEとアスタキサンチンがしっかりと配合されています。
普段の食事で肉や鶏卵、貝類は多いが青魚や魚卵の摂取が少ない方
肉や鶏卵、貝類を多めに食べることができていれば、上述したビタミンB群はしっかり摂取できていると思われますので、DHAがしっかり摂取できるサプリが良いでしょう。
佐藤製薬の「美健知箋EPA&DHA」は、1日分でDHAを550㎎摂取することが可能です。
さらにEPAも200㎎配合されていて、数あるDHA&EPAサプリの中でもトップクラスのDHA、EPA配合量を誇っています。
厚生労働省が勧めるDHAとEPAを合わせた推奨量は1000㎎ですが、佐藤製薬の「美健知箋EPA&DHA」は半分を優に超える量を摂取することができます。
抗酸化対策もしっかりしていて、1日分が個別包装されているのも安心して続けられるポイントです。
ユンケルでおなじみの佐藤製薬がお届けする健康食品「美健知箋」
美健知箋に話題のEPA&DHAが新登場!含有量は業界で注目されるほど!
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美健知箋EPA&DHA
価格を重視するなら海外製品
価格を重視するならば海外製品には勝てません。
複合成分がないこと、臭い対策が弱いことなどの弱点はありますがDHAの量だけを考えると安く購入できます。
DHAの含有量と価格、そしてメーカーの信頼性を考えればNow Foods社の「DHA-500」もおすすめです。
Now Foods社の「DHA-500」は1回分1カプセルにDHAが500㎎、EPAが250㎎配合されています。
1ボトル90カプセルと180カプセルの2タイプがありますが、90カプセル入りが2,000円前後、180カプセル入りが3,000円ほどで購入できますので180カプセル入りが断然お得です。
Now Foods社はアメリカの大規模な自然食品会社で、産業、環境、輸出、製品の部門で賞も受賞しています。
海外サプリメントの購入で人気の通販サイトiHerbでも一番人気のブランドとのことです。
ちなみに「DHA-500」を購入するのであれば上記のiHerbが価格、安心感ともに評価が高くおすすめです。
Now foods社の「DHA-500」は佐藤製薬の「美健知箋EPA&DHA」と同等の最高レベルのDHA・EPAの量が配合されています。(合計量750㎎)
さらに酸化防止のために配合されているビタミンEはしっかりと抗酸化力を持つ天然のビタミンEが採用されています。
また、気になる魚臭さですが、当サイト編集部が実際に飲んでみたところ全く感じませんでした。
ただしカプセルの大きさが非常に大きいので、嚥下機能が低下している方にはおすすめできません。
Now Foods社からは他にもいくつかDHAが摂取できるサプリメントが発売されています。
とくに「Ultra Omega-3(ウルトラオメガ3)」が人気ですが、DHAを摂取する目的であれば「DHA-500」の方が良いです。※「Ultra Omega-3」のDHA含有量は250㎎
「DHA-500」はDHA含有量と価格だけ考えると最も評価できるDHAサプリメントだと思います。
DHAをサプリメントで摂取する際は、普段の食事とのバランスをしっかり考えてサプリメントを選ぶことが大事です。
認知症予防や学力向上のためにDHAサプリを飲もうと考える人は多いと思いますが、DHAだけが脳に効果があるわけではなく、体の中ではさまざまな栄養素が働いて脳にも影響をしていきます。
タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などのバランスも整えることが健康的な脳ライフには重要になります。