認知症を予防改善、進行を遅くする効果があるビタミンとは

認知症の人の老化はとても早く、認知症じゃない人の2倍から3倍の早さで進行するとも言われています。

この老化の早さはアルツハイマー型認知症や高齢者の多発性脳梗塞など加齢が要因の認知症は、脳卒中や脳挫傷などで若くしてなった認知症によりも顕著に表れます。

認知症予防にビタミンB12のサプリメント

認知症介護研究・研修東京センター名誉センター長の長谷川和夫医師が調査した、「認知症高齢者と正常高齢者の死亡率」によると、認知症高齢者の4年後の死亡率は83.2%で、正常高齢者の28.4%と比較するとおよそ3倍にもなっていたようです。

認知症の人の場合、同じ年齢の正常な人よりも老化が早いのですが、例えるなら認知症の人は2年の経過が4歳または5歳年を重ねたのと同じ状態になってしまうのです。

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認知症の脳の萎縮に有効と発表された脳ビタミン

ビタミンB12をはじめ、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸などのビタミンB群、その他の有用な成分を含むサプリメントが、認知症の脳の萎縮に有効とする研究結果が「栄養とアルツハイマー病に関する国際シンポジウム」で2004年10月に発表されています。

アルツハイマー病の予防や治療の新たな地平を切り開くことを目標とし、アルツハイマー病の専門家のみならず,栄養学者,疫学研究者,生化学者,老年科医が一堂に会したのが「栄養とアルツハイマー病に関する国際シンポジウム」です。

シンポジウムでは、脳ビタミンサプリメントの概要と、その摂取による認知症への効果が症例と合わせて発表されました。

脳ビタミンサプリメントの認知症への効果を発表したのは、医療法人健身会理事長の周東寛医学博士をはじめ7人の医学博士です。

摂取していたアルツハイマー病の薬は変更せずに、脳ビタミンサプリメントを併用して脳の萎縮に効果があったとのことです。

脳ビタミンサプリメントが認知症に効果がある理由

認知症はほとんどの場合、現代の医学では完治する方法がありません。

しかし、治療やケアによって進行の速度を遅くしたり、症状を軽くさせたりすることができることが分かっています。

その中でも脳ビタミンサプリメントが認知症の脳の萎縮に有効ということは、高齢社会に明るい兆しを見ることができると思います。

脳ビタミンサプリメントはビタミンB12が主要素となり、さまざまな有用成分を含むサプリメントですが、周東医師によるとビタミンB12は脳のビタミン、神経のビタミンと呼ばれるほど脳神経系に深く関わることがわかってきていて、アルツハイマー病や認知症の治療改善にも期待ができる成分とのことです。

たしかにビタミンB12は細胞の合成に必要なメチル基の転移に関わっているので、脳の萎縮が進む認知症の進行を食い止める効果は期待できなくはないと思います。

脳血管性認知症の場合は、多発性脳梗塞などで脳細胞が死んでしまうことが原因です。

しかしアルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症は、脳萎縮を進めるたんぱく質があるのですが、脳の中でそのたんぱく質が作られてしまう原因はまだ分かっていません。

いずれにしても脳の神経細胞が壊れていくことが問題となるので、細胞を保護、もしくは細胞を作る成分をしっかり取ることは認知症の予防、進行の歯止めに期待が持てると思われます。

そのためには、細胞の材料になる栄養成分として、たんぱく質や良質な脂質、細胞を組み立てるための栄養成分として、ビタミンB群やミネラルなどが必要になります。

脳ビタミンサプリメントは細胞を組み立てるために重要なメチル基転移を進めるビタミンB12をはじめ、その他のビタミンB群や有用な成分が含まれたサプリメントです。

ビタミンB12だけでなく他の有用な成分を一緒に摂取することで細胞の合成を進め、脳の萎縮がある認知症に効果があるのだと思われます。

ちなみにビタミンB12の効果を高めるには量が必要で、その量は普通の食品からは摂取できないのでサプリメントが効果的とされています。