イチョウ葉エキスの効果とサプリメントの選び方

イチョウ葉エキスの効果とサプリメントの選び方

イチョウ葉エキスとは名前のとおりイチョウの木の葉に含まれる成分のことです。

イチョウは中国原産で、1科1属1種の繁殖力・生命力の強い樹木です。

古代には他にもイチョウ科の樹木があったことが世界各地の化石の発見から分かっていますが、イチョウを除いて氷河期に絶滅したと考えられています。

苦しい氷河期を乗り越えたイチョウは「生きた化石」とも呼ばれます。

この強い生命力を持ったイチョウの葉を、乾燥させ有効成分を抽出したのがイチョウ葉エキスです。

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イチョウ葉エキスの効果効能

イチョウの種子の銀杏を用いたり、葉を煮だしてお茶に用いたりしたり、さまざまな方法で古くから重宝されてきました。

中国では5000年も前からイチョウの葉や実を喘息や気管支炎に漢方薬として用いていたとも言われ、漢方薬として長い歴史を持っています。

イチョウ葉エキスは古くから薬草として効果効能が伝えられてきましたが、現在では効果をもたらす有効成分が分かってきているので、成分の特徴を知って摂取することができます。

イチョウ葉エキスの働きとして主に認知されているのは、血液の流動性を高める働きと抗酸化作用です。

それらの働きによってイチョウ葉エキスは動脈硬化や脳血管障害、認知症などへの効果が期待されています。

イチョウ葉エキスに期待される効果

記憶力の向上、血流の改善、動脈硬化、脳梗塞、認知症、物忘れ、うつ

イチョウ葉エキスの有効成分とは?

イチョウ葉エキスはヨーロッパでは食品タイプの他に、ヒトの臨床試験を行っている医薬品タイプのものも存在します。

ドイツにおいては、イチョウ葉エキスの製造法から、含有成分であるフラボノイド、テルペノイド、ギンコール酸の量を規格化し、合格したものが薬品化されています。

世界的に効果が期待されているイチョウ葉エキスですが、とくに有効成分として注目されるのは、フラボノイドとテルペノイド(テルペン類)という物質です。

イチョウ葉エキスの主要成分フラボノイドとテルペノイドって何?

フラボノイドとは、ポリフェノールの一つで植物に含まれている色素、苦味、辛味の成分になります。

フラボノイドには、ブルーベリーのアントシアニン、大豆のイソフラボン、たまねぎのケルセチン、緑茶のカテキンなど抗酸化活性をもつものが多く存在します。

イチョウ葉エキスには少なくとも30種類以上のフラボノイドが含まれており、その強い抗酸化作用が効果に繋がるとされています。

テルペノイドとは、精油の主成分として用いられることが多い植物の香り成分です。

レモンの皮に多いリモネンは抗酸化作用が期待され、ミントなどのハーブに多いメントールは免疫力強化が期待されています。

イチョウ葉エキスには他の植物や食物には含まれない、「ギンコライド」と「ビロバライド」という特有のテルペノイドが含まれています。

ギンコライドとビロバライドの働き

ギンコライドには血小板の凝縮を抑える効果があり、血液の流動性を高めるとされます。

ビロバライドはラットを用いた研究で脳の海馬のシナプス形成を促進する可能性が示されています。

イチョウ葉エキスによる脳への働きは?

イチョウ葉エキスは、血管拡張、血小板凝固抑制、抗炎症、抗酸化といった作用を持っていることが分かっています。

血流を多くして脳へ栄養が届きやすくする

イチョウ葉エキスが血管の収縮をゆるめるために重要な物質であるプロスタサイクリンという血管弛緩因子の分泌を刺激することで、脳に血流を多く供給すると考えられています。

脳への血流が多くなるということは、栄養が含まれる血液が多く送り込まれることになります。

脳にとって重要なタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養が多く届くことになりますので、イチョウ葉エキスそのものが持つ抗酸化作用と合わせて脳細胞の活性化や機能向上、さらには物忘れから認知症をはじめとする脳疾患の予防にも影響していくと考えられます。(そのためには、イチョウ葉エキスだけでなく他の栄養素を豊富に摂取していることが望ましいと言えます。)

血栓が作られるのを予防する

イチョウ葉エキスが持つ血小板を凝固抑制する作用は、血栓が作られてしまうことを防ぎますので、脳梗塞や脳血管性の認知症を予防する効果が期待されています。

抗酸化作用で脳を守る

また、イチョウ葉エキスには、ビタミンEよりも強い抗酸化作用を持つケルセチンなどのフラボノイド類と、同じく強い抗酸化作用を持つギンコライドが含まれます。

強力な抗酸化作用は神経細胞を酸化による損傷から守り、動脈硬化の原因となるLDLコレステロールの酸化も防止しますので、そのような意味からも脳血管疾患の予防に繋がることが考えられます。

イチョウ葉エキスはどれくらい摂取すれば良いの?

たくさんのメーカーがイチョウ葉エキス配合のサプリメントを発売していますが、イチョウ葉エキスの摂取量として1日120㎎~240㎎を勧めている会社を多く見かけます。

健康維持や予防目的であれば1日120㎎が良いようです。

ただし、サプリメントによってはフラボノイド(フラボノール)配糖体、テルペンラクトン配糖体の量だけを表記しているものもありますので、購入前には確認をするようにしてみてください。

フラボノイド配糖体とテルペンラクトンは、原料になるイチョウ葉エキスによって含有量が違います。

イチョウ葉エキスの量と一緒に有効成分であるフラボノイド配糖体とテルペンラクトンの量が表記してあればなお良いです。

フラボノイド配糖体とテルペンラクトンの目安は、イチョウ葉エキス120㎎当たりフラボノール配糖体が28.8㎎前後、テルペンラクトンが7.2㎎前後となります。

多くのサプリメントが上記の量で作られていますが、表記がない製品で気になるようでしたらメーカーに問い合わせてみてください。

イチョウ葉エキスのおすすめ対象は?

イチョウ葉エキスは血液の状態を良くする働きがあると考えられますので、健康診断で血液のコレステロールバランスが悪い人や食生活が乱れがちな方、記憶力が落ちてきたと感じる方、40代50代の方で早めに物忘れ、認知症を予防したい方が取り入れてみると良いでしょう。

また、他のサプリメントを摂取してその栄養成分が脳に届きやすくするためのサポートとしても効果的です。

そのような場合は、含有量がそれほど多くないマルチビタミンなどを除いて摂取する時間をずらして取り入れた方が安全です。